サイメシスの迷宮 完璧な死体(★★★★☆)

サイメシスの迷宮 完璧な死体 (講談社タイガ)

サイメシスの迷宮 完璧な死体 (講談社タイガ)

警視庁特異犯罪分析班に異動した神尾文孝は、協調性ゼロだが優秀なプロファイラー・羽吹允とコンビを組む。羽吹には壮絶な過去があり、経験したものすべてを忘れることができない超記憶症候群を発症していた。配属初日に発生した事件の死体は、銀色の繭に包まれた美しいともいえるもので、神尾は犯人の異常性を感じる。羽吹は「これは始まりだ」と第二、第三の事件を予見する。
なんであんな母親を慕えるのか謎、巻き込まれた被害者が不憫過ぎる。割りとしっかりとミステリ要素があったので読み応えがありました。
羽吹の超記憶症候群という病気は便利に感じるかもしれないが、実際に自分が発症したら引きこもりになってしまいそうな気がする。羽吹が過去に誘拐された時に何が起こったのか、最後は不安の残る終わり方だったので続きがあるなら羽吹が過去と向き合う展開もありそう。神尾は異動したばかりなのに慣れない中で羽吹をサポートしようと頑張っているところに好感が持てる。少しずつ信頼し合えるコンビになってほしい。