使用人探偵シズカ: 横濱異人館殺人事件 (★★★★☆)

使用人探偵シズカ: 横濱異人館殺人事件 (新潮文庫nex)

使用人探偵シズカ: 横濱異人館殺人事件 (新潮文庫nex)

嵐に閉された異人館で、「名残の会」と称する奇妙な宴が始まった。館の主は謎めいた絵を所蔵する氷神公一。招かれたのは画家に縁のある6人の男女―。次々と殺されていく招待客たち。絵の下層には、なぜか死んだ者が描かれていた。縊られた姿もそのままに。絵は死を予言しているのか。絵画見立てデスゲームの真相とは。使用人探偵ツユリシズカの推理が冴える本格ミステリー。
秋月和美が招かれた舘で「名残の会」と呼ばれる宴に参加させられ、そこで起こる殺人事件に巻き込まれていく。閉ざされた舘、過去の因縁を巡る遺産騒動などストーリーの不穏な雰囲気は良くできているなと。探偵役のメイド・シズカも普段は冷静なのにたまに感情的になると外国語になるところが可愛かったです。和美は始終犯人に振り回されがちで役にたってはいませんでしたが(酷い)、シズカの言う通り優しい心の持主だったので殺伐とした雰囲気の中では唯一読んでて安心できるキャラでした。
トリックは二転三転していて実にややこしい…!犯人の復讐は理解できなくもないけど自分の大事なものを巻き込んだら意味ないでしょ。シズカは今後も逞しく生きていくんだろうな、と思わせるラストでした。