※妹を可愛がるのも大切なお仕事です。 (★★★★☆)

巳月紘には、こいつのためなら死んでもいいと思える妹・唯々羽がいる。朝は二人でご飯を食べて仕事と学校に向かう。どんな残業地獄でも、笑顔の唯々羽の「おかえり」の一言に救われ、早く帰れた夜にはその髪を梳いたりもする。―だが、巳月兄妹には誰にも言えない秘密があった。実は唯々羽は(売れない)ラノベ作家で、紘はその担当編集なのだ!「このままだと、編集者さんが代わっちゃうかもしれないから。わたしはおにぃちゃんじゃなきゃ、やなの」妹を売れっ子作家にするために、紘は今日も唯々羽を膝に乗せて執筆を手伝う。時には頭を撫でて褒めてやり、一緒のお風呂で癒やし癒やされたり。でも、唯々羽が書くのは迷走したトンデモ小説ばかりで…。
最近流行りの出版業界もの。個人的に今のところはずれなしのジャンルだったりします。今回は兄が編集者で妹がラノベ作家という設定でシスコン要素もたっぷりなストーリー。打ち切りという壁にへこんでいる唯々羽が痛々しくて、売れるラノベを意識して空回りしている姿はいたたまれなかった。だからこそ最後は念願の打ち切り回避が実現できて良かった。絋の作戦勝ちですな、絋は編集者としては格好いいけどシスコン全開になってるとなんか残念(笑)
お気にいりキャラは礼祢。彼女のラノベにかける情熱がすごい、まさか高校にも行ってなかったとは…。そして恋する乙女な部分も可愛くて魅力的でした。はたしてシスコンの壁を乗り越えていけるか。唯々羽との友情関係も良かったです