幽冥食堂「あおやぎ亭」の交遊録(★★★★☆)

幽冥食堂「あおやぎ亭」の交遊録 (講談社X文庫)

幽冥食堂「あおやぎ亭」の交遊録 (講談社X文庫)

西早稲田の路地裏。枝垂れ柳に隠れるようにひっそり佇む食堂「あおやぎ亭」。営業時間は日の出から日の入りまで。おばんざい風の料理を出す店の主人は、端正な顔立ちをしたどこか古風な感じのする男性だった。半井結人は幼い頃の体験から「死者の魂」が見えるようになり、その力を持て余していた。だが「あおやぎ亭」の店主との出会いを機に、自分に秘められた力の意味と活かす方法を知ることに。新シリーズ開幕!
篠原先生の新シリーズということで作家買い。主人公の結人が霊感があることや優しい好青年であることから著者の別シリーズの主人公と若干かぶるかも。小野篁閻魔大王など個人的に興味のあるキャラが出てきたのは嬉しかった。それにしても閻魔様の姿がイメージとまったく逆方向で戸惑いました(笑)さすがイラストがあきさんなだけあって美しい!恩赦のシステムのことを考えると優しい人なんだろうな。
昔の死者の埋葬の仕方や当時の風習に関する蘊蓄も面白かった。しかしいくら疫病にかかったとはいえ生きたまま埋葬されるのは地獄だな…。我儘だけどどこか憎めない双子と結人の組合わせが好きです、明彦はジャイアンを思い出す(笑)篁はミステリアスなままだったので続きがあるなら深く掘り下げていってほしいです。