最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ(★★★★☆)

兵庫県芦屋市。雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて…。優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!
シリーズ8冊目。あれ表紙のロイド若くない?と思ったのは私だけだろうか。今回は夏神さんが大きく一歩前進したという印象。やっと念願のお墓参りができそうで良かった。夏神さんの誠実な姿勢が伝わって何より。海里は海里でまた一歩お母さんとの距離が縮まりました。個人的には1巻目で海里を門前払いする兄を止めない母親に苛ついた覚えがあったので、母親には母親の考えがあっての行動だったんだなと見直しました。奈津さんにかけた言葉も素敵でした。
塚本自身は淡々とした日常を受け入れていたつもりでも、どこか孤独を感じていたからこそ成仏出来なかったのかな。来世では幸せな家庭に生まれてほしいですね。