神様の定食屋 (★★★★☆)

神様の定食屋 (双葉文庫)

神様の定食屋 (双葉文庫)

妹とともに、両親の遺した定食屋を継ぐことになった高坂哲史。ところが哲史は料理がまったくできず、妹に怒られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「誰かに料理を教えてもらいたい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様に、この世に未練を残した魂を憑依させられてしまった。神様曰く、魂から料理を教わる代わりに、その魂が望む相手に料理を振る舞い、未練を解消してやってほしいということで―。思い出の味を繋ぐ、五編の心温まる物語。
ほっこり心が温まる人情味溢れたストーリーでした。酒好きの神様が愛嬌があって面白いキャラ。料理がまったく出来ない哲史が自分の体を未練が残っている幽霊に憑依させて心残りを解消させ、成仏してもらう。亡くなった人と残された人達が再び心を通い合わせて涙するシーンにじんわりと心が温かくなっていく。どの料理も美味しそうでメシテロ小説としても読む価値あり。少しの間だけだったけど両親と再会できて良かった。
今までの縁によって定食屋最大の危機がなんとか乗り越えられてひと安心。人との繋りって大切だなと再認識しました。最初はどうなるかと思った哲史も順調に成長していきました。「てしをや」みたいな定食屋に行きたいよ!