筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 ~鎌倉の花は、秘密を抱く(★★★★☆)

毒舌家で変人の書道家、東雲清一郎。筆跡鑑定も行う彼は、書を愛しているのに、書を避けている。しかし―客の目を引く見事な書店ポップ、鎌倉の寺社を巡った御朱印帳、祖父が読みたいと望んだ特別な小説、少年が誰にも見せたくなかったメモ―気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない。文字に秘められた想いを、清一郎は明らかにしていくが…。古都・鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描く大人気ミステリー、第3弾!
面白かった、蘊蓄多めなのも嬉しい。やっぱり清一郎は素直じゃないなと思っていたら、最後にでかいデレがきましたよ!清一郎にとっての美咲はあんなイメージなのね、ニヤニヤ。相変わらずの方向音痴ネタも良かった。
二話の松岡の恋についての話はいつも軽薄な松岡へのイメージが変わりました。忘れてほしくないけど松岡には前へ進んでほしい、先輩の複雑な乙女心が垣間見えて切ない。でも松岡がきちんと先輩からのメッセージを受けとることができて良かった。四話は珍しく清一郎の方から事件に首を突っ込むことに。美咲が後押ししたとはいえ清一郎のおせっかいで一人の女の子が救われたのは事実。美咲の言う通り清一郎も根は優しいんだよね。続きをお待ちしています。