自殺するには向かない季節(★★★☆☆)

高校生の永瀬は、ある朝同じクラスの生徒が列車に飛び込むところに遭遇してしまう。なぜ死を選ぶのか、理由を考えるが答えは出ない。そんな永瀬は、友人の深井から蝶は羽ばたかないという言葉とともにあるカプセルを渡される。それはとても小さなタイムマシンであり、バタフライ効果の根源に作用するという。半信半疑ながら夜にカプセルを飲んだ永瀬が目覚めると―二週間以上も過去に戻っていた!そして永瀬は、雨宮と雨の屋上で出会う。会話の流れで、彼女の希望を知っていることがばれた永瀬は、願望の実現―自殺の方法を調べることを手伝うことになり―!青春を鮮烈な筆致で描く、第6回講談社ラノベ文庫新人賞“大賞”受賞作が登場!
クラスメイトの雨宮の自殺に関わってしまったことから始まるお話。きちんとストーリーとしてまとまっているし、文章も読みやすいけど少し物足りないかな。永瀬が雨宮の自殺の手伝いをしている内に彼女の内面を知り、そして自分の境遇や「死」について考えていく。永瀬の父親が典型的な頑固爺で確かにウザい、姉もあんな感じだと関わりたくないのも理解できる。でも永瀬が自殺未遂を起こした時に二人とも心配していたし、これから家族として少しずつ仲を改善していってほしいな。
深井はどうにもならなかったかのかなと思う。日比野が怖い、こいつ一回痛い目にあった方がいい。生きると決めた二人の今後に幸あれ。