ニアデッドNo.7 (★★★★☆)

ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

目覚めた少年は、何者でもなかった。“再葬開始”の合図と共に、いつの間にか持っていた火の粉を纏う刃を振るい、異形の敵を倒すのみ。“境死者No.7”―赤鉄。それが、彼に新たに与えられた名だった。なぜ自分は戦うのか―。No.6である美しき少女・紫遠と共に、訳のわからぬまま死闘に身を投じる赤鉄は、やがてある事実にたどり着く。No.7の称号を持つ“先代”がいたこと、そして自分がその人物に殺され、No.7を“継承”したことを…。第18回電撃小説大賞“大賞”受賞作『エスケヱプ・スピヰド』のコンビで贈る、現代ダークファンタジー開幕!
初の九岡作品。魅力的なキャラも多いし、物語の雰囲気も好みなので追いかけていきたいなと思いました。 死んでいるわけでもなく、かといって生きているわけでもない中途半端な存在である境死者。境死者は代替りであり、前任者が本当に愛した人間を殺すことで後継者にすることができる、という設定が後になって重みを増してくる。赤鉄と緋霧の邂逅が甘酸っぱくて素敵。距離を縮めたい赤鉄と自分の宿命を痛い程自覚しているからこそ距離を置く緋霧。あこれが普通の恋愛小説だったら…と何度思ったことか。
メインヒロインである紫遠も優しい子で、猫グッズを集めているのを見ると普通の女の子と一緒ですね。姿は子供なのにメンバーの中では最古参である緑狗も好きです。亡くなったメンバー宛てに秘かに届くはずもないと分かっていながら別れの手紙を書いてるところとかジーンときました。他のメンバーの存在も気になるので早く続きが読みたいです。