女流棋士は三度殺される(★★★☆☆)

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

かつて天才少年と呼ばれた松森香丞。とある事件をきっかけにプロ棋士の道を諦めた彼は、高校の将棋部でひっそりと活動している。ひと癖もふた癖もある幽霊部員たちに悩まされながら、文化祭の準備をしていたある日、幼馴染みの少女が血塗れで倒れているのを発見する。彼女を襲った犯人を見つけるため、調査を始める香丞だったが、彼女の過去と将棋には大きな秘密があるのだった。
棋士よりもコンピュータの方が強くなった近未来のお話。キャラはそれぞれ個性的で印象に残りました。甘酸っぱい青春の部分もあれば、近親相姦・同性愛などタブーとされる要素も盛り込まれていてダークな部分もありました。全体的な雰囲気は好きなんですが、将棋好きだったらもっと楽しめるのかなと思いました。
結末に関しては「近未来」という設定だからこそOKな展開だったなと。香丞はよく真相をつきとめました。最後の歩己の泣き顔が切なくてほろ苦い。香丞を身をていして守ったのは歩己なのに、という気持ちになってしまいますがこればかりは仕方ないのかな。