櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡(★★★★☆)

北海道・旭川。高校生の僕、正太郎は、姿を消した櫻子さんを捜し、担任の磯崎先生たちと九条邸を訪れた。主が不在の屋敷はひっそりと静まり返り、家族写真がなくなっていた。不安を抱え、僕らは櫻子さんが向かったと思われる層雲峡を目指すが…。(「蝶の足跡」)ほか、正太郎が偶然見かけたひき逃げに端を発する事件を描いた衝撃作も収録。最高にクールで危うい櫻子と、成長著しい正太郎のコンビが光る、必読キャラミステリ!
いきなり姿を消した櫻子さん達の行方を探す正太郎、理由は意外と普通でしたね。婆やさんの心配させたくない気持ちは分かるけど何も言わないで姿を消す方がもっと心配するのでは?何はともあれ大したことなくて良かったです。櫻子さんと再会した時の「僕は嬉しくて−出来ることなら彼女を抱き締めたかった」という正太郎の気持ちに櫻子さんへの想いが込められていてジーンときました。何だかんだいいつつ櫻子さん探しに協力する磯崎先生が優しい。
「灰色の追行」では悪とは何なのかを改めて考えさせられました。あんな奴被害者と同じ目にあわせればいいじゃん、と思うけどそう簡単にはいかない。感情を上手に割りきることが出来なかった上に正義感の強い人間だからこそ悲劇に繋がってしまったのだろう。せっかくできた仲間だったのにね。ほろ苦い結末でした。次回は花房が本格的に絡んでくるのかな?