飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず (★★★★☆)

天才錠前師のトマス・ウルスに育てられたマージは、鍵や機械が大好きな、いっぷう変わった女の子。トマス亡きあと、錠前店をひとりで切り盛りしていたマージの元にある日、鉄道王としても成功しているアンブローズ伯爵家の若き当主・アレックスが訪れる。「ある金庫を開けてほしいから、身ひとつで伯爵家に来てくれ」という依頼を断ろうとしたマージに、アレックスは破格の報酬を約束し…!?
亡き養父の跡を引き継いで店を切り盛りしようとする主人公・マージ。こういう逞しいヒロインは非常に好みです。軽薄そうに見えて実は一途なアレックスのキャラも素敵でした。マージ視点でストーリーが進むのでマージの生立ち自体は分かりやすかったです。悪ガキがデレると破壊力抜群ですね、オリヴァー可愛すぎる。何だかんだいいつつも忠誠心の厚いクレメンスも良かった。ていうかメインキャラがどれも魅力的。
最後の数ページにわたるマージとアレックスの会話がロマンチック。この二人の関係が進展したところもみてみたいな。マージなら錠前師としても女侯爵としても立派にやっていけるでしょう。いきなりは無理だろうけどあの人との関係も少しずつ良くなっていくといいね。綺麗にまとまっているけど続きが読みたいです。