夜ふかし喫茶 どろぼう猫 (★★★★☆)

夜ふかし喫茶 どろぼう猫 (集英社オレンジ文庫)

夜ふかし喫茶 どろぼう猫 (集英社オレンジ文庫)

もう何年も、不眠で悩んでいる大学生の結月。ある春の日、住んでいるマンションの二階に、平日の夜中だけOPENする不思議な喫茶店があるのを見つける。店主は、「眠りを盗んでいく猫」の噂を集めている風変わりな青年、榊真臣。店は、眠れない長い夜を過ごす人のために開けているのだという。結月は、居心地がよく、珈琲の美味しいこの店に通うようになるが…?
不眠で悩む大学生・結月が主人公。私はむしろ8時間たっぷり寝ても仕事中に眠くなってしまう時があるので結月たちとは正反対だな…。セレナーデのような喫茶店があったら一度でいいから行ってみたい、同じ悩みを抱える人達がゆったりと時間を過ごせる場所だなんて素敵。都市伝説の泥棒猫の話もファンタジーっぽくて面白かった。
榊さんが不眠症になってしまった理由が思った以上に根深くて、そんな榊さんに少しでも元気になってもらおうと必死に動き回る結月が健気でした。その気持ちは結月自身が言っていたように恋というよりは同じ悩みを抱える同志としてとのこと、でもゆっくりでいいから二人がそれ以上の関係になってくれたらなと思います。