異世界落語2(★★★★☆)

異世界落語 2 (ヒーロー文庫)

異世界落語 2 (ヒーロー文庫)

手違いで異世界に召喚された現代の噺家、楽々亭一福。彼の『異世界落語』はサイトピア城下で人気を誇っていた。魔法使いが辻斬りの戦士に胴を斬られて真っ二つになる『胴斬り“胴斬り”』。剣士が必殺技の名前を師匠に付けてもらう『エターナル“寿限無”』。謝霊祭の出店を巡って孫に翻弄される祖父を描いた『謝霊祭“初天神”』など、多くの落語を異世界落語にしてターミナルに浸透させていく一福。そんな中、十数年ぶりにサイトピアに帰ってきた一人の老騎士がいた。彼の名はアルステッド。以前は勇敢な剣士としてターミナルにその名を轟かせた男だが、今や酒浸りの日々で、かつての姿は見る影もなくなってしまった。一体、老騎士に何が起きたのか―。
日々を追うごとにターミナルについての知識を吸収し、それをいち早く落語に生かす一福の落語家としての探求心には感心するしかない。どの話も面白かったけど個人的には胴切りが一番でした。なんであんなにすらすら思い付くのかな〜。初天神も良かった、アメバさんの飴が食べたい!
そして今回の主軸であるアルステッドは、思った以上に過去に辛い経験をしていて落ち込んでしまうのも仕方ないなと。自分本位というか他人にそこまで気を遣うようなキャラだとは思っていなかったので、ラッカがアルステッドのことを心配して色々と動いていたのには驚きました。ごめんよ。失ってしまったものは多いけど残りの人生を奥さんと一緒に幸せに過ごしてほしいな。