文句の付けようがないラブコメ 6(★★★★☆)

果てなき輪廻の果てに。数多の被験者のうち、“非人道的実験”に成功して生き延びることができたのは少女Aだけだった。世界を救う英雄たる使命を背負った少女A。周囲にあるのは無数の書物が並ぶ図書館のみ―彼女の心象世界には時間も空間もない。世界救済を探るためのあらゆる可能性を、ただひたすら演算するだけの存在として、少女Aは存続していく。そんな彼女の前に突如、異物たる少年Bが現れてこう言った。「お前さ。俺と結婚しねえ?」「はい。よろしくお願いします」永遠とも思えた輪廻の果てに待つ、少女Aと少年Bの結末とは?『文句の付けようがないラブコメ』がここに終わり、そしてまた始まる―
世界を救済するために生贄となった少年少女たち。なぜこの理不尽な舞台が用意されたのか、おチヨ・ハルコ・クルミの三人で考察しながら物語の核心へと迫っていく。セカイとユウキばかり目立っているけどこの三人も同じぐらい辛い立場なんだなと。大切な主を守りきれないおチヨ、ユウキが好きなのにも関わらず友達というポジションでしか傍にいれないと分かってしまったハルコ、才色兼備ながらも唯一好きになれる相手が血の繋がった兄であるクルミ。それぞれ報われない思いを抱えながらも大切な人のために協力する姿勢が健気だ…。
引き裂かれ続けたセカイとユウキが遂に残酷なゲームから抜け出せて良かった。ユウキは本当にチートで敵にはしたくないキャラだな。これでやっと一段落ですが、まだエピローグが終わったに過ぎない。これから始まるのは今度こそ平穏なラブストーリーだと思いたいけど落とし穴があったりして。