シャーロック・ホームズの十字架(★★★★☆)

世界経済の鍵を握るホームズ遺伝子群。在野に潜む遺伝子保有者を選別・拉致するため、不可能犯罪を創作する国際組織―「機関」。保有者である妹・七海と、天野直人は彼らが仕掛けた謎と対峙する!強酸性の湖に立てられた十字架の謎。密室灯台の中で転落死した男。500mの距離を一瞬でゼロにしたのは、犯人か被害者か…。本格ミステリの旗手が挑む、クイーン問題&驚天動地のトリック!
「不可能犯罪」に挑むという設定なだけに派手なトリックばかりなのが面白い。救えた命もあるけど救えなかった命もある、一筋縄ではいかない事件に立ち向かっているからこそ遭遇してしまうほろ苦さは仕方ない。第3話「象になる扉」で死んでしまった警官、そして最後に辰巳から渡されたリストに載っている行方不明の人達のことを考えて落ち込む直人。でも辰巳たちがいる限り大丈夫でしょう。1巻の時と比べるときちんとした信頼関係が築けているのが伝わります。
陽菜が無事だったのにはひと安心。直人のひらめきが冴えていました。最後はストーリーのスケールが一気に大きくなったような気がします。どういう形で終わらせるのか気になる。