放課後スプリングトレイン(★★★☆☆)

放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)

放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)

四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。天神に向かう電車で出会った奇妙な婦人、文化祭で起きたシンデレラのドレス消失事件……。福岡の街で私はたくさんの答えを探している。第23回鮎川哲也賞最終候補作を大幅改稿して贈る、透明感溢れる青春ミステリ。
高校生活のキラキラした部分を切り取って、ミステリ仕立てにした感じ。こんな素敵な高校生活を私も過ごしかった、クラスメイトや部活仲間との軽いやり取りとか憧れます。ミステリ部分はあまり印象に残らなかったかな、一番大きな仕掛けは最後の名前の部分なんだろな。あえて呼び方を訂正しない飛木さんにキュンときました。飛木さんもいいけど何気に優秀なイッセーも好きです。
「学祭ブロードウェイ」の夢音みたいな子がクラスにいたら関わりたくないなぁ…。強かというかずる賢いというか、演劇の成功を優先させたのは仕方ないけどいっそのことバレて怒られればいいのに。最後の「カンタローブ」は上原を慕う颯太が可愛かったです。吉野と飛木さんの仲が進展したところを読んでみたいな。