謎好き乙女と明かされる真実(★★★★☆)

謎好き乙女と明かされる真実 (新潮文庫nex)

謎好き乙女と明かされる真実 (新潮文庫nex)

私は真実(フィクション)より青春(ミステリ)が好きです。入学式のあの日から、僕は彼女に振り回されてきた。恋愛よりも部活よりもミステリを愛する彼女に。それは今も同じだ。宛名のないラブレター。消えた誕生日プレゼント。姿の見えない歌姫。藤ヶ崎高校で起こる事件を、僕は彼女と解決していく。でも、このままで良いのか。僕が知りたい“答え”は何か。早伊原樹里。僕は彼女を、解き明かす。切なくほろ苦い青春ミステリ、堂々完結。
春一と最伊原のテンポの良いやり取りが魅力的なシリーズでした。今回は二人の腹の探り合いが面白かった。最伊原の秘密はもっと深刻なものかと思いましたが、人の感情を大多数と同じように理解することができないというのは本人にとっては大きなストレスなんだろうなぁと。春一は普通の青春よりも最伊原といることを選択し、最伊原も春一と一緒にいることを選択した。その事実だけで今はいいのかな、最後の最伊原のデレ具合が最高でした。
最伊原との青春は取り戻せたものの浅田との友情は中途半端になってしまって残念。今後の春一の学校生活を考えると心配ですが、最伊原がいるならなんだかんだで乗り切れるでしょう。その後の春一たちを見てみたい気もしますが取り敢えず一件落着ですね。