無欲の聖女1(★★★★☆)

無欲の聖女 1 (ヒーロー文庫)

無欲の聖女 1 (ヒーロー文庫)

孤児のレオは筋金入りの守銭奴。ある日、路上に何かを描いていた美少女の頭上に屋根の重石が降りかかろうとしているのを見つけ、その少女を救う。しかしその結果、少女の描いていた魔法陣に足を踏み入れ、二人の体が入れ替わってしまう。少女は貴族社会を追われた侯爵令嬢の娘・レーナ。貴族の集う学院に招集されてしまうのが嫌で魔術を使って逃亡を試みていたが、それを邪魔したレオは魔術を掛けられ、片言でしか会話できなくなってしまう。腹を立てるレオだが報奨の金貨につられて学校に行くことに。二人は契約を交わし、それぞれ学院生活と孤児院生活を送るのだが―。
孤児院で暮らす守銭奴のレオと伯爵令嬢の娘であるレーナの体が入れ替わってしまうお話。レオの思惑とは裏腹に周囲の勝手な勘違いによって、どんどん信頼を得ていく展開は面白かった。レオは金にがめつ過ぎるところはあまり好きになれないが、面倒見が良いところもあって孤児院の子供達から慕われているのが微笑ましい。特にレオに構ってもらいたくて、わざと子供っぽいふりをしているブルーノが可愛い。
レーナは孤児の過酷な環境に苦戦中。王子は見事にレオが演じているレーナに恋しているようですが、入れ替りが終わったらどうなるんですかね。レオの場合は過去に町にお忍びで出掛けた王子と出会った際に気に入られたようで、王子も再会したら「一生彼を離すことはしないだろう」とかいってるので、案外将来は王子の部下になったりして。続きが出たら読みたいです。