ハナシマさん(★★★★☆)

ハナシマさん (ガガガ文庫)

ハナシマさん (ガガガ文庫)

北関東某県にある韻雅町で猟奇殺人事件が起こった。その凄惨な事件は連続的に発生するも、警察は犯人像を掴めずにいた。ほぼ時を同じくして、町の高校に作り物めいた美しさを持つ華志摩玲子という少女が転校してくる。彼女は誰とも話さず、何にも興味を示さず、孤立していくが…というお話。
ミステリ部分は弱いけど全体的に手堅い印象。辛い過去をもっているのに周囲から不気味に思われ、あげくの果てには銃で撃たれて…という華志摩さんの辛すぎる境遇が憐れ。何も悪くないのにね…、最後にきちんと復讐できたのがせめてもの救い。
いかにも胡散臭いから予想通りだけど、杜秋はやっぱり最低な奴だった。道隆に敵う相手だとは思えないけどな…、せっかくのヒーローポジションなんだからもう少し活躍してほしかった。結局行動を起こしたのは晴海と亜季の父親だし、亜季…。どうなることかと思いましたが、希望のあるラストで良かったです。