飛天の風 六男坊と陰陽師(★★★★☆)

飛天の風 六男坊と陰陽師 (ルルル文庫)

飛天の風 六男坊と陰陽師 (ルルル文庫)

時は平安、太政大臣の六男坊・藤原有視は、夜道で陰陽寮の学生・安倍春秋とぶつかり、春秋は追っていた男を逃がしてしまう。 口論になった二人だが、そのために「密かの賊」と呼ばれる盗賊団の盗みの現場を目撃することとなり、行きがかり上、事件に関わる羽目になってしまって…というお話。
久しぶりのルルル文庫、というか久しぶり過ぎて前に買ったのがいつだか覚えていません。最近の少女小説集英社オレンジ文庫ぐらいしか買わないので…。応募小説の取り止めなど色々と情報は耳にしているので、好みの小説があったら買いたいなと思います。
深山先生の作品は王道で甘い作風のイメージがあったので、男同士の友情がメインのお話は新鮮でした。さすがベテランの方なだけあってストーリーなども安定していて楽しめました。お人好しでのんびりとした性格の有視とクールな天才肌の春秋はとても良いコンビでした。感情表現が下手な春秋が有視の優しさに触れて段々と懐いていくのが可愛かった。大切な式神をあげるぐらいだし。
玉篠との恋は切なかったですね、予想はできたけれども。もし有視と2年前に再会できていたら、と思うとやりきれない。有視にはぜひ素敵な相手を見つけてほしい。そして長男はともかく次男が酷すぎて有視が可哀想、女房たちも酷いけど。