からたち童話専門店 ~雪だるまと飛べないストーブ~(★★★★☆)

新生活にも慣れてきたある日、ふと奇妙な視線を感じる零次。一方、『枳殻童話専門店』の主人・九十九は、雪のように冷たい美貌を持つ少年と知り合い…というお話。
ほろりとくるいいお話だった。それにしても神に徹底的に嫌われている九十九には同情してしまう。神さんお願いだからもう少し九十九に優しくしてあげて!ササメは本当に健気な男の子ですね。自分が原因とはいえ命を削ってまで零次を救おうとするなんて。そして大事な弟を救う為に雪女と契約した神もさすがというか何というか、お兄ちゃんの鑑ですね。ただ責任感が強すぎて一人で抱え込み過ぎているのが心配ですが。
ラストは落ち着くべきところに落ち着いたなという感じ。母親である雪女・セツラが彼女なりに息子であるササメのことを考えて行動していたというのにもジーンときました。やり方は不器用だけど、今回のことで父親の愛情にも気付けたし彼女にとっても良かったのではないかと。ササメにちょくちょく会いに来てほしいですね。何気に神とセツラの組み合わせが好きです。
尊が主人公の短編は尊もなんだかんだいいつつ零次のことが大好きなんだな〜というのが伝わってきてよかったです。ササメといい尊といい零次は愛されてるな。ぜひ次もお願いします!