古き掟の魔法騎士I (★★★★☆)

■あらすじ
「“騎士は真実のみを語る”」「“その心に勇気を灯し”」「“その剣は弱きを護り”」「“その力は善を支え”」「“その怒りは―悪を滅ぼす”」―伝説時代最強の騎士と謳われると同時に『野蛮人』の異名を持つシド=ブリーツェ。キャルバニアの若き“王子”の手によって復活を遂げた男は、魔法騎士学校の教官として赴任する。創設者の騎士の理念が受け継がれた四つの教室、彼が配属されたのは奇しくも自身の名を冠する落ちこぼれの学級で…「お前達さ、騎士として恥ずかしくないのか?―まずは剣を捨てろ」最強の騎士は野蛮人―。新“教官”シリーズ開幕!

■感想
シリーズ1冊目。ロクでなしシリーズが好きな方なら安心して楽しめる王道ファンタジー。「野蛮人」の異名を持つ伝説の騎士・シドはキャルバニアの王子・アルヴィンによって復活を遂げる。国王が死んで政治が不安定な中で早く立派な騎士になって王になりたいと願うアルヴィン、そんな真っ直ぐで一生懸命な彼の願いがシドに届いた終盤の展開に胸が熱くなった。
剣に頼らず己をまず鍛える、シドの教えで少しずつ成長していく生徒達の絆も良いですな。あれだけ反発していたテンコのデレ具合には驚いた(笑)シドがとにかくかっけー、というのが一番の感想です(ぇ)まだまだ問題は山積みなので続きに期待。

スパイ教室04 《夢語》のティア (★★★★☆)

■あらすじ
クラウスがかつて打倒した冷酷無残のスパイ殺し“屍”が口を割ったことで、帝国が放つ正体不明の組織『蛇』の尻尾を掴んだスパイチーム『灯』は、その正体を暴くため敵が巣を張るムザイア合衆国の大都市ミータリオに降り立つ。しかし、任務指揮を任されたティアはある出来事をきっかけに、スパイとしての自信を喪失していた。彼女の脳裏にはかつて自分を助けてくれた“あるスパイ”の言葉がよぎる―。『あなたはヒーローを目指しなさい』恐怖渦巻く戦場に、想像を絶する強大な悪。絶望の淵に立たされた時、皆が待ち焦がれた英雄が現れる!

■感想
シリーズ4冊目にして第一部完結。前回の作戦で敵に騙されたことを気にして自信をなくしているティア、それに比べて他のメンバーは次のミッションに向けて着実に成長していく。リーダーとして心が揺れ動いていく中で紅炉の言葉を胸に立ち上がる姿が素敵。さすがクラウスの師匠なだけあって最期までカッコいい女性でした。
屍は幸せな最期だったんじゃないかな。紫蟻が最低過ぎたのでクラウスの超人っぷりを前にしてあっさり倒される展開が清々しい。今回はティアは勿論のこと全体的にチームワークのレベルが上がっていた気がする。第二部も楽しみです。

ライアー・ライアー6 嘘つき転校生は正義の味方に疑われています。 (★★★★☆)

■あらすじ
「彼女」に振り回された挙げ句、その謎が深まった中で迎えることになった夏の学校対抗戦。学園島中の高校生が参加するお祭りムードの中、俺・篠原緋呂斗を待っていたのは「七ツ星は不正をしている」という“正義の組織”の告発だった。ヘキサグラムを名乗るそいつらに目をつけられた俺は周囲から疑いの目で見られ、さらに正義の味方を信じ切った後輩やら覚醒した皆実雫にも絡まれてうかつにイカサマもできない。絶体絶命の状況だけど、どうも奴らも本物の「正義」ってわけでもなさそうだ。ならこの状況を打破するために、偽物の底力ってやつを見せてやる頃合いかもな―

■感想
シリーズ6冊目。夏の学校対抗戦で盛り上がる中で、正義の組織を名乗る「ヘキサグラム」から「不正をしている」と告発された緋呂斗。対抗戦の序盤は楽にクリアできたものの団体戦の4段階目から苦戦している様子。正義を語っている癖に案の定ヘキサグラムが真っ黒で水上の逆襲が唯一スッキリした。緋呂斗にはこんな組織ぶっ潰してほしい。
そして表紙の雫も本気を出しているがさすがに更紗にはかなわないのかな。後半戦での活躍に期待。椎名は完全にマスコットキャラ、癒される。次回は例の彼女のヒントも出るのだろうか、緋呂斗の巻き返しを楽しみにしています。

夢見る男子は現実主義者 3(★★★★☆)

夢見る男子は現実主義者 3 (HJ文庫)

夢見る男子は現実主義者 3 (HJ文庫)

  • 作者:おけまる
  • 発売日: 2020/11/28
  • メディア: 文庫
■あらすじ
夏休みなのに学校行事の手伝いや古本屋のバイトで働き詰めの渉。過去の経験から仕事では有能なおかげで、四ノ宮先輩に褒められたり、美人女子大生(?)の笹木さんや、同級生の文学少女・一ノ瀬さんとの絡みが増えたりと、女の子の影がチラホラ。そんな様子を目にした愛華も自分の気持ちに向き合い始め、「せっかく久し振りに会ったのにっ…さみしいじゃない…」と思わずデレる一面が!?我に返った渉にまさかのモテ期到来で人間関係が動き出す第3巻、書き下ろしも満載で登場!

■感想
シリーズ3冊目。前回ちらっと登場した笹木さんがまさかの中学生で驚き、後輩キャラとして今後ストーリーを盛り上げてくれることに期待。四ノ宮先輩の好感度がぐんぐんと上昇中、個人的には先輩は渉よりも楓との絡みの方が好きだったりする。
そして夏休み中に渉に会えず寂しくて悶々とする愛華、話しかけたいのにすれ違ってやっと会えた時のデレが半端なかった。今回は素直な時が多くて渉も戸惑ってましたねー(笑)次回から本格的に絡んでくるであろう一ノ瀬、正直イラッとする部分が多くて渉がそこをはっきり指摘しててスッキリしました。次も楽しみです。

涼宮ハルヒの直観(★★★★☆)

■あらすじ
初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ?天下無双の大人気シリーズ第12巻!

■感想
シリーズ12冊目。久しぶりの新巻はミステリ色強めで面白かったです。初詣のお話と七不思議作りは何だかんだいって青春してるSOS団が眩しい。メインの「鶴屋さんの挑戦」は序盤からの古泉とTによるミステリ談義に置いてきぼりにされました(笑)いつも裏方にまわる古泉が珍しく積極的に行動していたのが新鮮。
鶴屋さんの貴重な幼い頃のエピソードは興味深かった、バイタリティーが凄いお嬢様。ミステリとしても普通に分かりやすくて面白かった。そして推しの長門が相変わらずキョンにだけ意思表示する場面がたまらなく好き。最後は少し次回への不穏な伏線もあったのでゆっくり待つことにします。

友人キャラは大変ですか? (10)(★★★★☆)

■あらすじ
ソロモンと化した阿義斗によって、龍牙が能力を封じられちまった!やむなく俺は「代理主人公」をつとめることになるのだが…お袋いわく、鬼には秘められた能力があるらしい。それは、口づけした相手から異能を借り受ける力で、人呼んで「窃吻」―っておいコラ、なんだそのトラブルの予感しかない能力は!!龍牙と四神ヒロインズ、あと三姫まで俺を睨んでるから!これ、ハーレムラブコメ主人公しか許されないやつだから!―最後まで、笑って泣いて、熱くなれる最強助演コメディ。ここに堂々のフィナーレ!!

■感想
シリーズ10冊目。前回のラストからどうなることかと思いきや最後までコメディで押し通していて始終安定した面白さでした。阿義斗によって能力を封じられてしまった龍牙たち、ずっと友人キャラでいたかった一郎が自ら主人公として動こうとするのに少しの成長を感じました。友人キャラに関しては見事にバエルがかっさらっていきましたね、彼の誠実さによって阿義斗が救われた展開も良かったです。
そして正妻争いは決着がつかず、bookwalkerの特典小説では一郎には無限の可能性がありそう。個人的には魅怨と一緒になるのが一郎も一番落ち着けそうだと思いますが。まさかのレイダさん参戦(笑)番外編でもう1冊出してほしいですね。

席替えから始まるハイスペック陰キャのリア充への道(強制)(1) (★★★★☆)

■あらすじ
鷹宮仁はクラスで目立たない存在、いわゆる陰キャと呼ばれる生徒だ。そんな仁は席替えにより天真瀾漫な性格と抜群のスタイル、圧倒的な容姿で人気を誇る白花朝姫と席が隣になったことで注目を集めるようになってしまう。しかも朝姫がきっかけで、仁は次第に隠していた“ハイスペック”を引き出されてしまって…。隣になったのが運の尽き!?目立ちたくない男とクラスのアイドルが織りなす、ドタバタラブコメディ!

■感想
席替えによりクラスのアイドル・白花朝姫と隣になった陰キャの仁。あまり関わりたくないのに天真爛漫な朝姫に話しかけられて、気がつかない内に仲良くなっていく。漫才コンビのような二人の会話が面白い。陰キャのように見えて明らかにハイスペックの仁に翻弄されて少しずつ惹かれていく朝姫が可愛い。仁も要所要所で男前なところを発揮しているのでこれは惚れても仕方ない。
英虎との悪友関係も好きです、息のあった連携プレイがすごい。そしてまさか最初から仕組まれていたとは…、鈍感キャラじゃないので朝姫の気持ちにもしっかりと気付いている仁さんさすがです。英虎姉や仁の過去など伏線がまだ残っているので続きに期待してます。