探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる(★★★★☆)

■あらすじ
山田姉妹と戸村に今日も奇妙な事件(相談事)が寄せられる。我が校の卒業生でもある副担任さぁや先生の依頼は、彼女が高校生のときに起きた「原稿消失事件」。文芸部の部誌に載るはずだった直前に消えた状況は、確かに不可解で…?あいかわらず平常運転で絡んでくる雨恵と雪音の山田姉妹につつかれながら、またも俺は矢面に立たされるのだった。だんだん雨恵と雪音の性格も把握してきたけど、2人の距離感は…やっぱ、近すぎるよね!?そして赤面しているよね!?可愛くて鋭い2人の山田さんと俺が解き明かす、ちょっと甘めの学園ミステリーラブコメ、第二幕!「よし!プールで推理しよう!」ええっ!?

■感想
シリーズ2冊目。オンラインゲームの人物当て、文芸部の消えた原稿の行方、自殺願望が見える友人探し、サクッと読めてどれも面白かった。依頼者に寄り添いながらも戸村+山田姉妹が楽しみながら推理していくスタイルが好き、プールの場面とか正に青春。新キャラの田草先生が好みだったので再登場してほしいな、確かにメルヘンな話でデイトレーダーが出てきたら置いてきぼり感があるかも(笑)
特に「探偵不十分」では戸村と山田姉妹の距離がグッと近づいてて、ニヤニヤ。最後の席替えのエピソードとかクラスの皆空気読みすぎててグッジョブ!こうやって戸村が周囲に溶け込んでいくのが嬉しい。

ロクでなし魔術講師と追想日誌7(★★★★☆)

■あらすじ
リィエルが苺タルト嫌いになる呪いをかけられた―『さらば愛しの苺タルト』。公爵家の元娘・イヴ、極貧生活に耐えかね、夜のお店でアルバイト!?―『秘密の夜のシンデレラ』。セリカ主催「グレンの嫁探しコンテスト」に、本気で挑むルミア無双―『最強ヒロイン決定戦』。未来の世界でグレンの子ども達に対面!?いったいお相手は―『未来の私へ』。少女たちが、ふだんは見せない表情を満載した短編、一挙掲載!そして―“法皇”クリストフ=フラウル。まだ士官候補生だった彼が直面した絶体絶命の回顧録。窮地を救ったのは、癖だらけと噂される特務分室・最強の6人だった!

■感想
今回もバラエティに富んだ1冊。「最強ヒロイン決定戦」ではヒロイン達のグレンへの強い想いが伝わってくる中でルミアが努力賞。重婚は禁止されたみたいだけど、「未来の私へ」みたいな結末が一番良いと思うけどな。娘達はハチャメチャだけどセリカも幸せそうだし、イヴ+三人娘だったら言うことなし。
イヴのヒロイン力にルミアが危機感を感じるのも分かるのが「秘密の夜のシンデレラ」。食生活が世知辛い…、イヴがもう少し素直になったら一気に関係が進みそうな気がする。過去話は切なくもあり、個性派揃いだけど最強だった頃の特務分室が堪能できる。クリストフの言う通り離れていても心は一つ、その言葉が素敵。

平安後宮の薄紅姫 二 宮廷去りし皇后宮と伊勢物語 (★★★★☆)

■あらすじ
怪異や難事件の駆け込み寺・薄紅の姫。中宮を狙う“鬼”の事件を落着させ、その昼の姿である末席の女房として念願の書司となった。一方、静かに読書にふけりたい夜の薄紅の元には、願いに反して親しくなった晴明の孫・奉親が訪ねてきては面倒に巻き込んでいく。そんなある日、彼女は後宮の蔵書破損をきっかけに密命をくだされた。後宮を去ってしまった皇后宮を連れ戻せ―と。後宮の祈祷も担う奉親とともに、この難題に挑むことに。物語知識を駆使するものの、皇后宮は断固として拒否し…。

■感想
シリーズ2冊目。伊勢物語を破損した犯人探しからここまでストーリーが広がっていくとは思わなかった。禎子が後宮を去った理由、嫄子が禎子を後宮に連れ戻したい真意、対立しているはずの二人の姫君の絆が素敵。互いを想っているからこそすれ違ってしまう、嫄子の最期は悲しいけれど禎子との時間をゆっくり過ごせて良かった。禎子様の男らしいキャラに惚れました。
物語をこよなく愛する薄紅によって二人の姫君が救われたといっても過言ではない。雨の中一晩中土下座をした奉親と義盛は本当に薄紅を信頼しているんだなと。一緒になって土下座する能信良いキャラしてる。嫄子から物語を書いてほしいと託された薄紅の今後が気になります。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 14.<物理最強>(★★★★☆)

■あらすじ
二国間による講和会議も決裂し、戦闘状態へと移行する両陣営。レイvs.“物理最強”“獣王”ベヘモット。アズライトvs.“衝神”クラウディア。シュウvs.“怪獣女王”レヴィアタン。お互いに譲れないもののため、各々全ての力をかけて衝突するこの戦いの行方は果たして―。レイがゲームを始めて以来、最も過酷な戦いの幕が今上がる!大人気VRMMOバトルファンジー、決死の第14巻!!

■感想
シリーズ14冊目。バトルてんこ盛りで見応えのある巻でした。レイ、アズライト、シュウがそれぞれの敵と衝突していく。物理最強といわれるだけあってベヘモットの強さが圧倒的、最後まで諦めなかったレイも凄いけど仲間の援護があったからこそだと思うと次に向けての課題が残ったかもしれない。皆レイを信じて託していく展開に胸が熱くなる。
クラウディアの秘密がわんさか明かされましたね、アズライトなりに真摯にクラウディアの気持ちに返事をするあたりに彼女の誠実さが滲み出ています。この戦いで拗れてしまった関係がいつかまたかつての二人に戻りますように。月夜の守銭奴っぷりがエグい(笑)

亡びの国の征服者 2 ~魔王は世界を征服するようです~(★★★★☆)

■あらすじ
家族の愛を知らぬまま死に、“もう一つの人類”の侵略に脅かされる王国で新たな生を受けた少年ユーリ。彼は騎士家の名家であるホウ家の跡取り息子として、王女であるキャロルや魔女家の生まれであるミャロらと共に、騎士院での生活を送っていた。そしてユーリは生まれて初めて、“もう一つの人類”―クラ人と出会う。亡命してきた宗教者であり、クラ語講師であるイーサ。ユーリは彼女からクラ語を学びながら、「敵国」への理解を深めていくのだった。数年の時が流れ、ある目的から学業の傍ら事業を興すことを決めたユーリ。前世の知識を元に植物紙の製品化を目指す彼は、協力者を得ながら試行錯誤を繰り返していく。しかし事業が成功した矢先、王都を裏で牛耳る魔女家の魔の手が迫り…!?のちに「魔王」と呼ばれる男は、静かに、しかし確実に覇道を歩む―。「小説家になろう」で話題の超本格戦記譚、待望の第2幕!

■感想
シリーズ2冊目。シャムやキャロルの妹も入学して周囲が賑やかになっていく。敵国の情報も入れつつ、紙を扱う事業を新たに興すことにしたユーリ。親友・ミャロの立場も考えながら魔女のボス相手に啖呵を切るユーリがかっけー。それにしてもミャロさん男装女子だったのね、ユーリにだけはバレたくなかった気持ちが尊い
そして終盤はユーリとキャロルの社会見学。キャロルへ現実を教えつつも自分でなるべく気づかせようとするユーリが立ち位置的に兄貴っぽい。指輪もらって照れるキャロルが乙女、ヒロイン力がアップしましたね。世界観が少しずつ広がっているのでいずれは国を飛び出すのかな?続きが楽しみです。

亡びの国の征服者 1 ~魔王は世界を征服するようです~ (★★★★☆)

■あらすじ
家族の愛を知らぬまま死に、異世界に転生した少年ユーリ。両親の愛を一身に受けながら新たな人生を歩むユーリだったが、彼の住む国家群は“もう一つの人類”の侵略によって亡びの危機に瀕していた。槍を振るい鳥を駆る王国の剣―騎士家。そんな騎士家の頭領だった叔父の戦死は、ユーリとその家族を戦乱の運命へと巻き込んでいき…!?「小説家になろう」で話題の超本格戦記譚、ついに開幕!

■感想
川で溺れた少女を助けようとして死んでしまった青年が異世界に転生して一から人生を始める異世界もの。設定がしっかりしていて全体を通して安定した面白さ。主人公・ユーリは子供だからといってあまり演技もせず割と素で対応しているので大人っぽ過ぎて浮いてますな。でもだからといって冷たいわけでもなく現実的で淡々としたところが魅力的です。悪ガキをぶん殴る場面はスカッとした(笑)
今回は幼少期から学院に入学するまで、キャロルにも気に入られたようだし穏やかな牧場ライフは無理だろうな…。これからどんどん面白くなりそうです。

ひきこまり吸血姫の悶々3(★★★★☆)

ひきこまり吸血姫の悶々3 (GA文庫)

ひきこまり吸血姫の悶々3 (GA文庫)

■あらすじ
青い空。白い雲。ようやく得られた休暇で海辺のリゾートを満喫するコマリ。そんな吸血姫の前に一人の少女が現れる。「一緒に世界を征服しない?」剣の国の将軍ネリアから、とんでもないお誘いを受けてしまった!その一方で別の国家、天照楽土からも外交使節が来訪。「一緒に世界を平和にしませんか?」東国の最強将軍と噂される和風少女カルラは、まったく逆の提案を投げかけてくるのだった。各国の思惑は錯綜し、やがて世界を巻き込む大戦争へと発展!夏休みから急転直下、戦局の鍵を握る立場となってしまったコマリ。ひきこまり将軍が新たな時代を切り開く!?

■感想
シリーズ3冊目。各国を巻き込んだ戦争が勃発し、ストーリーの世界観が一気に広がった回でした。新キャラのネリアは不遇な過去を背負いながらも現状を覆そうと懸命に努力する健気な一面もあるキャラ、コマリとのコンビも凸凹コンビっぽくて好きです。
サクナが地味に粘り強くて敵にしたらいけないタイプ…。苦戦しそうになるも悪どい敵が敗北する展開は痛快でした。ムルナイト帝国軍は良いキャラが揃ってるなと改めて思った。そして同じく新キャラのカルラはコマリと似たタイプ、次回はメイン回なのかな?