天才少女Aと告白するノベルゲーム(★★★★☆)

天才少女Aと告白するノベルゲーム (ファミ通文庫)
■あらすじ
大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため、桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思われる部長の菖蒲は不登校になっていた。彼女の幼馴染みで学園きっての変わり者由井と、菖蒲が学校に来るよう企画をたてるも不発に終わってしまう。大人しくゲーム作りに励む湊のもとに、ひとつのノベルゲームが送られてきた。『バッドエンドを探せ』と題されたゲームには菖蒲と部員のトラブルが綴られてゆく。これは告発? それとも――。

■感想
ゲーム制作部の人間関係をめぐる青春ミステリ。過去に桜山学園・ゲーム制作部が作った「鬼ヶ島」によって死人が出てしまう。その死の真相はほろ苦くて、でも自業自得ともいえる。菖蒲が由井のようにはっきりと言えるタイプだったら…とも思うけど、菖蒲が由井といることを選択したのは正解だったと思う。
湊のお爺ちゃん素敵だな。湊がきちんと自分と母親の関係を考えた上で出した答えも良かったと思う。湊の中ではトラウマになってるしな…。菖蒲も由井も嘘をつく必要がなくなったわけだし、これからは好きなゲームをどんどん製作所出来ますように。

2019年を振り返って

皆様年末年始はどうお過ごしでしょうか。
2019年最後の日は家に引きこもって大掃除をしていました。やっぱり新年ぐらいは綺麗な部屋で過ごしたいからね…!
個人的ニュースは今年もこれといってありませんが、来年を思うと仕事方面で嫌な意味で大打撃がありそうで今から憂鬱です。仕事辞めたいと何度も思うけどラノベを買うためにも辞めるわけにはいかないんですよね。
今年もたくさんのラノベに精神的に助けられました。感想かけてないだけで実はもっと読んでます。来年もぼちぼち更新していきたいです。こんな秘境を覗いてくださっている方、有り難うございます。それでは皆様良いお年を!

1LDK、そして2JK。 ~26歳サラリーマン、女子高生二人と同居始めました~(★★★★☆)

1LDK、そして2JK。 ~26歳サラリーマン、女子高生二人と同居始めました~ (富士見ファンタジア文庫)
■あらすじ
「…そのぉ…お久しぶり、です」「(…マジかよ)」父の頼みで、疎遠だったギャルJKの従妹・奏音を預かることになった、独り身のサラリーマン・駒村。急な生活の変化に頭を抱えながら仕事に行くと―「今晩泊めてもらえないでしょうか…?」「なあ、家に帰った方が―」「それだけは絶対に嫌です」「(…)」街中で途方に暮れていた家出JK・ひまりも、あれよあれよと強引に転がり込んできて―。「かず兄、ひまり。今日はすき焼きにしたよ」「駒村さん。お、お背中流しますね…!」「お前ら早く寝ろ!」奇妙な同居は突然に。JK二人と紡ぐ、ほっこり温かいホームラブコメ

■感想
疎遠だった従妹の奏音・家出中で住む場所を探していたひまり。二人の女子高生と同居することになった独身サラリーマンのお話。仲良きことは美しきかな、ということで3人でワイワイやってる場面は癒される。奏音もひまりも両親の存在がネックになっていて二人にとって最良の形で解決してほしいです。
冴えないようでいて自分のことを親身になって考えてくれる異性がいたら惚れてしまうのも無理はない、まだ恋愛要素は少なめだけど次回からはそういった描写も増えそう。友梨さんは残念だけど勝ち目なさそう…。和輝も少しずつ二人を意識していけばいいと思います。面白かったので次回も期待。

神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください(★★★★☆)

神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください (集英社オレンジ文庫)
■あらすじ
結婚相談所で「仲人」として頑張る冴。だが自分のことを客観視できないお客様のなんと多いことか…。もう駄目かもしれない、と冴が追い込まれた事件とは?コールセンターでベテランの久美子は、最近仕事の調子がいい。理由には心当たりが…?夢を諦めきれず、迷惑客が多い深夜コンビニでバイトを続ける佳奈の前に現れたのは…?ちょっとブラックなお仕事小説集。

■感想
前作に引き続きブラックなお仕事小説集。第一話の「うさぎと蜘蛛」から見事にかっ飛ばしています。藤原という男が粘着質な上に女性を「ラビット」呼びして区別する上から目線が最低、最後はお似合いカップルの誕生か…とはならずブラックな締めくくりで自業自得だと思いました。
第二話の「コールセンター」はいかにもストレスがたまりそうな仕事場でのお話。クレーマーに対してはスカっとしたけど前野さんが淡々としているところが逆に怖かった。第三話の「神さま気どり~」は佳奈が最後まで可哀想でいたたまれなかった。深夜のコンビニが魔窟過ぎてこんな客を相手にしていたらうつ病になってもおかしくない。縁切り神社は便利そうだけど慎重に願かけしないと佳奈みたいになっちゃうのかな…。

魔女の花嫁 seasons beside a witch(★★★★☆)

魔女の花嫁 seasons beside a witch (LINE文庫エッジ)
■あらすじ
不治の病に罹った少年・桑折冬至ははずれの森に住む変わり者の魔女・ミーズに出会う。その魔女は対価を払えば、どんな願いでも叶えてくれるが、願いの対価は彼女の気分次第。珈琲を淹れることから、心臓を取られることまで、何を要求されても文句は言えない。冬至の願いを聞いた魔女が伝えた対価は―。「ふふっ、今日から君は私の弟子だ」「へ?」これは『僕』と『魔女のお姉さん』の季節をめぐる物語。

■感想
不治の病に犯されている少年・冬至が病を治してもらう対価として魔女の弟子になるお話。魔女・ミーズに「ハル」と名付けられ新たな生活をスタートすることに。ちょっと子供っぽいところもある年上のお姉さんと低体温系少年のやり取りが微笑ましい。これ好きな人はハマると思います。
ミーズがハルを弟子にした理由は後に明かされますが、それが分かってもずっと冷たい病室で過ごしていたハルにとってミーズとの日々は大切でそれ故に「恩人」という言葉をミーズに贈ったハルの行動に拍手したい。指輪は結婚指輪にしかみえない…。ミーズの師匠やハルの呪いとかはまだ中途半端なので続きが出たら嬉しいです。

お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。4 (★★★★☆)

お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。4 (富士見ファンタジア文庫)
■あらすじ
文化祭。当日は何処で何をしてひとりで過ごそうか胸を弾ませていた春一を襲うテンプレ展開…実行委員に抜擢される。面倒くさいことは迅速に、の精神でおひとり様スキルフル活用で仕事を完璧にこなす春一へ華梨の余計な一言が炸裂する!「私、姫宮君に勝ってみたい!姫宮君っ、私と勝負しよう!」強制戦闘イベントを華麗にスルーし続ける春一のもう一つの悩みの種、「い、今は恥ずかし過ぎて姫宮の顔もまともに見れないから…」キャンプでの告白で英玲奈とは妙にギクシャク。華梨と英玲奈、二人との関係は確実に変化しているようで―。ひねくれボッチートな青春ラブコメ、文化祭はひとりに限る。

■感想
シリーズ4冊目。まさかの完結でショック、でも手堅い形でまとめられていて最後まで楽しめました。おひとり様のつもりがどんどん周囲が賑やかになっていく春一、華梨逹に少しずつ影響されながらも基本姿勢は崩さない春一のスタイルが好きです。キャラ同士の会話のセンスも良くて面白い。
春一との勝負に意固地になって無理をする華梨、自分を変えようと一歩踏み出そうとするものの空回りしてしまう英玲奈。両ヒロインの背中を押して青春している春一が眩しい…!恋愛の決着は着きませんでしたがこのラストで満足です。

俺を好きなのはお前だけかよ(13)(★★★★☆)

俺を好きなのはお前だけかよ(13) (電撃文庫)
■あらすじ
「お、俺に…恋愛相談をさせてくれ!」とある冬の日、こう言って『ゲンキな焼鳥屋』に俺―ジョーロ、ホース、そしてフーちゃんの三人を呼び出した、サンちゃん。らしくない相談だが…でもよ、こうやってクサイ話を男同士で語り合うのも悪くねえ。さぁ、サンちゃんよ!どんなことでも俺達に―「実を言うと…、俺も大賀と同様に、恋愛相談があってな」「その…、僕もなんだ…」って、俺以外全員かい!そして全員揃って頼るような視線を送るんじゃねえっ!…俺には俺でやらなきゃならねぇことがあるんだって!

■感想
シリーズ13冊目。男逹による恋愛相談会+各ヒロインとのデートエピソード。どのヒロインも可愛いけどサザンカのツンとデレの配分が絶妙で個人的に推しキャラ。元気で優しいひまわりは和むし、空回りしながらも最後は一番大胆な行動に出たコスモスも応援したくなる。気になるという意味ではパンジー、ミステリアスな彼女はどんな秘密を抱えているのだろうか。
結局のところ男共全員リア充じゃねぇか!この相談会の時は既にジョーロは誰か一人を選んでいるんですよね…、なんか切ない。地味にジャスミンと樋口の二人も良かったです。 とりあえず最後まで見守りたいと思います。