宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚 (★★★★★)

宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚 (集英社オレンジ文庫)
◼あらすじ
滞在していたスリランカ戒厳令発令をうけ、日本に一時帰国していた正義だったが、帰国前にある人物から連絡を受けていた。その人物の要望もあり、正義は日本滞在もそこそこに、ヴィンセントに会うため香港へと飛んだ。かつてリチャードを裏切っていたはずなのに、なぜか正義を助けてくれるヴィンセントの真意とは?そしてリチャードと再会した正義は…?

◼感想
シリーズ9冊目。今回は正義があっちに行ったりこっちに行ったりと忙しそうだった。ヴィンセントの奥さんには幸せになってほしいけどそれにはヴィンセント自身が幸せにならなくては意味がない。オクタヴィアが本格的に動き出し、デボラも遂にリチャードと再会するのかな。
後半の正義とリチャードの会話こそが宝石の様に輝いてみえた。お互いがとても大切でその関係を言葉にするならどうすればいいのか。恋人?親友?どの方向に転んでも二人が幸せならいいけど、正義の涙を考えるとそういう方向に進むのもありだと思う。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典15(★★★★☆)

ロクでなし魔術講師と禁忌教典15 (ファンタジア文庫)
◼あらすじ
「なんで!俺が!こいつらの総監督を務めにゃならんのよ!?」帝国代表選抜会を終え、いよいよ迫る魔術祭典。何の因果か、総監督を務めることになったグレン。メイン・ウィザードを勝ち取ったシスティーナと訪れたのは自由都市ミラーノ!平和の祭典に相応しい地に足を踏み入れた帝国代表は、かつてない大舞台で各国代表と激突する!一方、この祭典を台無しにし、戦争をもたらそうとする刺客に気付いたグレンは、教え子たちの思いを守るため、自身も戦いに乗り出して…「へっ!裏魔術祭典・大開催!ってわけだな」天使と吸血鬼。芸術の都に高らかに悲劇の歌声は響く―。

◼感想
シリーズ15冊目。総監督に就任したグレンを筆頭に魔術祭典の為に自由都市ミラーノへ向かうことに。試合中のシスティーナの活躍っぷりが見てて清清しい、ギイブルも格好いいこと言うじゃないですか!生徒達が熱戦を繰り広げている裏で大人達の色々な思惑が重なって厄介な状況になっとる。新キャラのマリアに関しては嫌な予感がします…。
グレンはもちろんのことやっぱりイヴも強い、ルミナのサポートもあってルナ達にはなんとか勝利。イヴはもう少しグレンと良い雰囲気になってほしいなと思いつつ正妻のルミナにも頑張ってほしい。まさか母親公認になるとは。最後にグレン大好きなあいつも登場してきて状況は混乱するばかり、続きが待ち遠しいです。

京洛の森のアリス II 自分探しの羅針盤 (★★★★☆)

京洛の森のアリス II 自分探しの羅針盤 (文春文庫)
◼あらすじ
ありすが暮らし始めた、京都によく似た不思議な町「京洛の森」。ある日想い人の蓮が老人になり戸惑うありすは、町に迷い込み同じく突然年老いた女性たちと出会う。この町で存在するためには、大事なルールがあるが、彼らはそれに反してしまったようなのだ。かつて同じように老人化したありすは彼らを救うことができるのか?

◼感想
シリーズ2冊目。ある日突然蓮が老人になってしまう、自分と向き合う為に蓮は旅に出ることに。アリスが大好きでやんちゃな男の子、蓮に対しての印象はそんな感じでしたが自分探しの旅を経て自分の甘さややりたいことを模索した蓮はきちんと子供から青年に成長したと思います。自分なりの答えが見つかって良かった。
マダムとアカシアの恋のエピソードが可愛らしい、マダムは典型的なツンデレ(笑)ナツメはやっぱりただ者じゃなかった…。ありす堂はこれからますます忙しくなりそうですね、続きも読みたいと思います。

千歳くんはラムネ瓶のなか(★★★☆☆)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)
◼あらすじ
「五組の千歳朔はヤリチン糞野郎」―学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖、努力型の後天的リア充・内田優空、バスケ部エースの元気娘・青海陽…。仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも―?新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!第13回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。

◼感想
読メで好評だったので読んでみた。クラスのリア充組である千歳朔が不登校山崎健太をリア充組に近づけるようにサポートしていく。ぼっち側ではなくリア充視点なのは珍しいかも。私は完全に健太側の人間なので高校時代にこういう賑やかな奴らいたな~と思ってしまった。最初は朔のキャラクターをなかなか受けいれられなかったが、リア充は裏でたくさん努力していると朔が健太に語る場面で見直しました。
ヒロインはたくさん出てくるけど本命は明日風なのかな?健太がヒロイン枠にみえてしまった(笑)健太が最終的にリア充組と仲良くなれるか心配だったが収まるべきところに収まって良かった。

この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!5 白き竜との盟約 (★★★★☆)

この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!5 白き竜との盟約 (角川スニーカー文庫)
◼あらすじ
「見ちゅけたの。らあいん・ちぇいかー」稼いだ金をあっ…という間に使い果たしたダストの許へ謎の幼女が訪ねてきた。子供相手でも容赦しない筈のダストが、食費を捻出するためギルドの依頼を真面目にこなし、ルナに授乳を頼んだりと甲斐甲斐しく世話する姿(?)に隠し子疑惑が持ち上がる!一方カズマ達が魔王軍幹部に手を焼いている最中、アクセルの街ではホワイトドラゴンの目撃談まで広まり、街は大混乱に陥るのだが!?過去と決別し、駆け出し冒険者の街へと流れ着いた気高きドラゴンナイトの正体が明らかに―。相棒との約束、そしてアクセルの街を守る為、チンピラ冒険者が立ち上がる!

◼感想
シリーズ5冊目。スピンオフでもセレナが登場してきたので段々と本編に近づいてきている。謎の幼女・フェイトフォーがやたらとダストに懐いていたのには納得、そりゃあ父親的存在から離されたら寂しいよね。ダストが凄くまともで驚いた、回想シーンの敬語とかも慣れない。根本的な原因はウィズだけどホワイトドラゴンの暴走理由にアクシズ教徒が関わっているのはさすがだ…。
遂に姫様も出てきました。ダストと絡むのは次回からみたい、ダストがどんな反応をするのか楽しみ。ゆんゆんは相変わらず巻き込まれてるな~、可愛い。ダストの過去も大分情報が出てきたので終わりが近づいているのかな?

ブラッド・ブレイン2 闇探偵の暗躍(★★★★☆)

ブラッド・ブレイン2 闇探偵の暗躍 (講談社タイガ)
◼あらすじ
警察官5人を殺し、確定死刑囚として独房にいながらも難事件を解決する月澤凌士。彼は「闇探偵」と呼ばれ、警視庁捜査一課の百成完とバディを組む。ある日、月澤が収監される脳科学医療刑務所で毒殺事件が発生。さらに所長が撲殺される。ごじつ直前に移送されてきた天才犯罪者の女は黒幕なのか? 隔絶された刑務所で、二人は凶悪犯を制圧しタイムリミットまでに真相を見抜けるか!?

◼感想
シリーズ2冊目。月澤が収監される脳科学医療刑務所で毒殺事件が発生、更なる殺人事件も起きて現場に居合わせた百成も巻き込まれていく。序盤で重要人物があっさり退場してしまってびっくり。いくら刑事とはいえこんな異常人物たちに囲まれてデスゲーム状態に巻き込まれている百成が哀れ。
寺河の毒女っぷりが見事に炸裂。最後は百成が大分追い詰められていたので挽回してくれることを祈ります。百成と月澤もやっとコンビらしくなったと思ったらこれだからぁ…、月澤が殺人犯であることは確かですが何か考えがあって百成と距離をおいていると思いたい。3巻が待ち遠しいです。


君はレフティ(★★★★☆)

君はレフティ (小学館文庫)
◼あらすじ
夏休み中、交通事故に遭い古谷野真樹(高2)は後遺症ですべての記憶を失った。学校生活に復帰した新学期、文化祭前の高校で謎の落書き事件が勃発。最初は他愛ないいたずらかと思われたが、落書きは段々とエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも真樹に向けられたメッセージのようだった。その謎を追っていくうちに次々と見えてきてしまった親友の秘密。そして…記憶喪失の僕が取り戻した大切な「真実」とは。

◼感想
交通事故の後遺症で以前の記憶を失ってしまった真樹。学校生活に馴染み始めた矢先に「7・6 」と描かれた落書き事件が起こり、真樹はその意味を探っていく。真樹・生駒・まどかの仲良しトリオの裏に隠された真実が思いやりに溢れていてジーンときた。前の真樹を知っていく度に彼が誠実な人だと分かって焦ってしまう今の真樹がもどかしい。
「7・6」の意味は予想外で生駒とまどかの訴えがきちんと真樹に届いて良かった。真樹の出した答えは個人的に嫌いではない、きっと二人が大事だからこその答えなんだろう。とかいいつつ真樹が恋人をつくるならどっちかにしてほしいなとも思う。