噂の学園一美少女な先輩がモブの俺に惚れてるって、これなんのバグですか?(★★★☆☆))

◼あらすじ
平凡な学園生活を送る高校生・鷹野祐。自らモブとして目立つことを避ける彼は、カースト上位陣すら近付けない、孤高を貫く学園一の美少女・衣川マトに―なぜか、抱きしめられて!?注目を集める祐だったが、彼女自身は周りの視線なんてお構いなし!告白してきたイケメン生徒会長をもスルーして、全開の好意を向けてくる。学園一とまで言われる美少女と過ごすことで、充実した学園ライフを送る祐だったが―彼が自らモブとして過ごす原因となった過去と、彼女は何か関係があり!?モブが好感度MAXの美少女と送る、最高の学園ラブコメ!

◼感想
モブキャラの主人公が学園一の美少女から好感度MAXで好かれいる状況から話はスタート、多少違和感はありましたが最後に理由が提示されているので納得。最後は両想いになってますが、せっかく理乃や亜弥の他ヒロインも可愛かったのでもう少し焦れったい感じを続けて欲しかったなと。
IT関連はど素人なので飛び交う専門用語についていけませんでした。噛み砕いて説明しているところもありましたが、個人的には置いてきぼりになってました。第1話の犯人は理乃から離れるべきだと思うけどな…、私は幼馴染ヒロイン推しでした。

怪異探偵の喰加味さんは悪意しか食べない (★★★★☆)

◼あらすじ
「なんてこった!」騙されやすい大学生・白浜優は愕然としていた。上京早々、飄々とした探偵・喰加味に騙され、助手となったのだ。急須とティーカップで牛乳を飲み、やたら寒がりで、何より人を「餌」と呼ぶ。風変わりな喰加味は、実は妖怪・獏。「僕はグルメなんだ」と誇らしそうな彼は、依頼人を餌としていたのだ。ある理由で妖怪に疑心を抱いていた優。舞い込む事件は噛み合わない二人が揃うと、何故か面倒な事ばかり引き寄せてしまい―!?詐欺師のような怪異探偵と、正直すぎる青年の怪奇事件簿!

◼感想
人の感情を食べる妖怪・貘である喰加味と騙されやすいお人好しな大学生・優が怪奇事件を解決していく。メイン2人のコンビっぷりが好みでした。喰加味の友人である余丁によって2人の仲が試された第4章では、人間は餌でしかなかった喰加味が「人間は餌になるばかりじゃない。こうやって信じ、託すことだってできるんだ」といった場面が印象的でした。喰加味の変化に気付いた優も凄い。
悪意が大好きな喰加味が選んだ事件なだけあって後味が悪いものが多かったなと。第2章のかまいたちはその後が幸せそうで一安心。優の母親がついた嘘は優の心を守るための優しい嘘だなと思いました。

今昔百鬼拾遺 鬼(★★★★☆)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

◼あらすじ
「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。百鬼夜行シリーズ最新作。

◼感想
京極の妹・敦子は世間を騒がせている辻斬り事件の件で被害者の友人である呉美由紀から相談を受ける。被害者・片倉ハルの自らの死を予見するような不審な発言・片倉家に纏わる因縁などの伏線が登場していき、物語は始終不穏な雰囲気でした。辻斬りの正体は確かに「夢見がち」だったのかもしれない、練習台みたいにされた被害者が無念。
美由紀の最後の演説にはスカッとしました、正に憑き物落としのようでした。敦子の「探偵さんの影響が濃い気がした」発言にはクスリと笑えた。美由紀にはまた登場してほしいです。

閻魔堂沙羅の推理奇譚 落ちる天使の謎 (★★★★☆)

◼あらすじ
空から彼女が落ちてくる。受け止めようとして―俺は死んだ。イケメンで名を馳せる大地は、イジメを受ける少女・神里に初めての恋をし、振られた。しかし彼はくじけない。イジメの原因を調べるうちに、学校の屋上から神里が落ちてきて―。俺の死はともかく、彼女の死は絶対に許せない!覚悟を決めた大地は蘇りをかけて、閻魔大王の娘・沙羅と霊界の推理ゲームに挑む!

◼感想
シリーズ5冊目。いつも通りのクオリティで満足。1話目は怪我を理由に引退したバドミントン選手が主人公、お父さんが厳しいけど優しい人…。自分の能力に甘えていた夏帆が父からのメッセージを受け取って再び歩み出す展開にジーンときました。2話目は初恋の少女を助けようとして死んでしまった少年、甘ったれな部分はありつつも好きな人の為には全力を尽くした大地を素直に尊敬する。鳴海にも早く立ち直ってほしい。
3話目だけ毛色が違いましたね、自業自得だけどああいう展開でくるとは…。犯人扱いされて動揺してしまったのは分かるけどせめて救助を頼めばあんなことにはならなかっただろうに。

ヘルハウンド2 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹(★★★★☆)

◼あらすじ
行動心理分析特別捜査権利法―通称“特権法”に登録された民間人プロファイラー、犬飼。悪魔的手法で難解事件の真相を暴いていく彼の目の前で、殺人事件が起こった。容疑者として逮捕されたのは、彼のアメリカ滞在時代の親友。凄惨な現場に残された『J』の文字、次々と起こる連続刑事殺し…混迷を極める事件は次第に、犬飼の隠された過去へと繋がっていき―。なぜ犬飼は“黒妖犬”と呼ばれるプロファイラーになったのか。衝撃の犯罪心理サスペンス、第二巻!

◼感想
シリーズ2冊目。犬飼のアメリカ滞在時の親友が連続殺人犯として追われることに、犬飼の過去に迫りながら事件を追っていく。いやー浅倉が見事にムカついたので最後に諭吉がガツンとやってくれてスカッとした。瀕死寸前なのに犬飼を安心させる為に声をかけてたことといい諭吉はどんどん逞しくなっていくのかな。逆に諭吉不在の犬飼が心配でした。
最初の通り魔事件はやりきれないというか陰湿だなと、諭吉の優しさに少しでも彼女が救われたなら良かった。Jの事件は叶わなかった恋とほろ苦い友情の結末といったところでしょうか、犬飼にとっては苦しい結末ですが諭吉がいるなら大丈夫でしょう。

放課後質屋 僕が一番嫌いなともだち(★★☆☆☆)

放課後質屋 僕が一番嫌いなともだち (集英社オレンジ文庫)

放課後質屋 僕が一番嫌いなともだち (集英社オレンジ文庫)

◼あらすじ
空腹に耐えかね貧乏大学生の家木は、大切にしていたブックカバーを質屋に持ち込んだ。現れたのは一癖も二癖もありそうな若き店主・湯布院。この店では査定評価を「品物にまつわる思い出」でするという。はじまりは、高額査定が欲しくて思わずついた嘘…?家木と湯布院=正反対コンビな二人が、個性的な客人の忘れられない過去を解き明かす、思い出ミステリー!

◼感想
貧乏大学生・家木と作家を目指す質屋の若き店主・湯布院のコンビが客が持ち込む思い出の品の謎を解き明かしていく。小説の為のネタ探しとして店をやってる、とか金持ちの話にはついていけない。通常の質屋とは違いすぎてあまり話に馴染めませんでした。
1話目の大和田さんのコースターに纏わるお話が一番好きでした。こういう不器用な御主人だと奥さんも大変だ、言葉にしてほしいけどそれだけ信頼されていた証であり素敵な結末でした。第2話は瞳の婚約者・中目黒に苛ついた、巻き込まれた盲導犬がいい迷惑だよ。なんだかんだいって家木はこれからも湯布院の我儘に付き合っていくんだろうな。

流星の下で、君は二度死ぬ(★★★★☆)

流星の下で、君は二度死ぬ (新潮文庫nex)

流星の下で、君は二度死ぬ (新潮文庫nex)

◼あらすじ
父を火事で亡くした心的外傷から、身近な人が亡くなる数日前に、亡くなる瞬間の情景が「予知夢」として見える能力を得てしまったみちるは、誰にも言い出せず怯え、悩み、鬱ぎ込んでいた。そんな彼女に救いの手を差しのべてくれたのは従兄の一美兄ちゃんだった。「予知夢なんて、信じるの?」「信じるよ。今度、予知夢を見たら教えて。一緒に予知を覆そう」そして高校生になった彼女は、ある晩、再び予知夢を見る。流星の降る校舎屋上、血濡れた刃、最後に見えたのは……一美兄ちゃん!? 助けたい――今度こそ。後悔と痛みを乗り越え前を向く、学園青春ミステリ。

◼感想
身近な人が亡くなる数日前に亡くなる瞬間を予知夢でみることが出来る少女・みちるが主人公。みちると一美をみていて自分のことを信じてくれる相手がいるのはとても大切なことだと思った。二人の関係性が好きです、みちるが阻止しましたがなんで一美はあんなことをしようとしたんだ…?
犯人は意外でした、しかし庇われた当の本人があんな状態ではね…。渡辺は誰かを救うことで自分も救われたかったのかな、それがもし恋情故の行動だったとしても犯人が殺していいはずなどない。ほろ苦い結末ながらも、みちるが自分の能力ときちんと向き合っている前向きなラストに救われました。