異世界拷問姫7.5(★★★★☆)

異世界拷問姫7.5 (MF文庫J)

異世界拷問姫7.5 (MF文庫J)

◼あらすじ
これは櫂人やエリザベート、ヒナ達が過ごした日常、夢のように幸福な記憶―遠い日々。櫂人は悪夢に悩まされ、エリザベートは狂信者に押しかけられ、ヒナは行方不明になっていた?また、終焉回避後の『ある日のこと』、櫂人とヒナの提案で、エリザベートの治安維持部隊隊長就任三周年目を祝う宴が開催されることになり…?天然たらしっぷりを発揮するイザベラ?のろけるジャンヌ?ヴラドにウザ絡みする『肉屋』?会場はカオスな様相を呈するが…?Web連載短編に書き下ろし小説&イラストを加えた豪華短編集。これは幸福の断片、そして先へ繋がる物語。

◼感想
今回は短編集。現在が過酷な状況だからこそ何気ない日常が眩しくて切なくなる。異世界に来たばかりの悪夢にうなされている櫂人が初々しい、後にエリザベートの為に壮絶な戦いに挑むようになるとは思えない。ヒナは正に癒し、あのエリザベートですらヒナには弱いもんな~。ちょこちょこと登場する「肉屋」の存在が物悲しくて、終盤の聖女の言葉がもっと早く届いていたらな…。
メインキャラ勢揃いの話はあのキャラの仕業でしたか…、とりあえずイザベラとジャンヌのやり取りにニヤニヤしましたとも。孤独ながらも再び歩み出すエリザベートがまた櫂人たちと出会えることを祈ってます。

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (★★★★☆)

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)

◼あらすじ
ある日突然、超能力に目覚めた佐護杵光。そしてその力を狙う悪の組織が、突如彼の前に現れ―なかった。隣の家の幼馴染が実は退魔師の子孫だと発覚し―なかった!謎の美少女が転入し―なかった!!平和過ぎる日常に逆ギレした佐護は、自分自身が秘密結社になる事を決意する。日本中を探して見つけた有能美女・鏑木栞を副官に引き入れ秘密結社「天照」を創設、資金調達事業も成功。蓮見燈華、高橋翔太という新メンバーも加えたところ、ついに世界を滅ぼす魔王が現れ―なかった!そこで佐護は、とある計画を思いつくことになり…?ひとりの最強能力者が紡ぐ、圧倒的マッチポンプギャグコメディ、開幕!!書き下ろし特別編も収録!!

◼感想
超能力が使えるようになった→でも何も起こらない→いっそのこと自分で秘密結社を作ってしまえ!、そんな感じのお話。主人公・佐護の非日常に対する憧れが凄い、優秀なのに変な方向にベクトルが突き抜けてしまってるせいで正に紙一重。鏑木も同類。
佐護が作り上げていく天照VS悪の組織の対決はベタだけど面白い。 燈華と翔太の甘酸っぱい関係も見所の一つ、二人が佐護の正体を知ってしまったらどうするんだろうか。無口なマスターは美味しい役どころだよね。最後はCIAも出てきて一気に物語が広がりましたがどうやって収集するのか気になる。

続・この素晴らしい世界に爆焔を!2 この素晴らしい世界に祝福を!スピンオフ わがままバスターズ(★★★★☆)

◼あらすじ
「このすば」大人気スピンオフシリーズ第二弾!この世界に溢れる“わがままな”依頼をめぐみんたちが解決!?カエルとの縁は永遠。カエルの王、キングトードを討伐せよ!―『王都に雨を!』セシリー、ゼスタ大暴れ!邪悪なエリス教徒を討伐せよ!?―『アルカンレティアに稲妻を!(前編)』そのスライムの名はチャッピー。やはりアクシズ教徒はやべえ奴しかいないのか。―『アルカンレティアに稲妻を!(後編)』「マリモでも分かる生物学」著者:バートン教授、暴走の末、少女に獣の○○○を斬らせ…。―『魔獣の森に斬光を!』そしてめぐみんは一つ、大人になる。―『宝石獣に爆焔を!』

◼感想
めぐみんが主人公のスピンオフシリーズ2弾。めぐみん・ゆんゆん・アイリスのパーティで依頼を解決していく形式。不思議なことにアクシズ教徒と一緒だとめぐみんがまともに見える(笑)アイリスはどんどんめぐみんに感化されてやんちゃなお姫様になってますね、ツッコミ役のゆんゆんが大変。オチが爆裂魔法なのが実にめぐみんらしい。
「王都に雨を!」は最後にいきなり教授が良い話をし始めるからずるいな~と思った。アルカンレティアの話はまさかの喋るスライムが登場、朧気な記憶だけどあのキャラでいいのだろうか。締めはいつものメンバー、しっくりくるけどゆんゆんとアイリスに活躍してほしいから続編希望です。

銀座ともしび探偵社(★★★☆☆)

銀座ともしび探偵社 (新潮文庫nex)

銀座ともしび探偵社 (新潮文庫nex)

◼あらすじ
ランプが光り、また一つ「不思議」が増えました。銀座の街に溢れる「不思議」を集めるのが、この探偵社の仕事である。踊り狂う亡霊が出る、鬼が迷子にな っているなど、不可解な出来事は後を絶たない。不思議は、宿っていた存在から離れると橙色のともしびとなり、探偵たちのランプに収まる習性を持つ。事務所に持ち帰られた灯の行く先は、所長だけが知っている──世に蔓延る謎に迫る探偵たちの活躍を描く、大正浪漫ミステリー!

◼感想
銀座の街に溢れる「不思議」を収集する探偵社が舞台。「サチの足跡」は語部のサチが何者か分からないまま物語が進んでいく。少しずつ出てくるヒントを辿りながら行き着いたラストが温かい結末で一安心。「白い箱」は町川さんがメイン。老人の存在感が凄くて正体が判明して納得。町川さんには「不思議」に対する好奇心をずっと持っていてほしい。
「知らない声」はロマンチックなテイストのお話で能瀬がメイン。木下がメインの話も読みたかった。探偵社の皆は仲良しではないけど付かず離れずの関係でこれはこれで良いのかなと。最後て判明した所長の目的には賛成です。

友人キャラは大変ですか? オフコース(★★★★☆))

◼あらすじ
俺こと小林一郎は、ただの友人キャラである。親友・火乃森龍牙の世界の命運を懸けた戦いに関わってしまったり、龍牙ヒロインズと次々フラグを立ててしまったり、敵の美少女使徒たちが居候してきたり、ラスボスである魔神に取り憑かれたりしているが、やはりただの友人キャラである。『そんな友人キャラがいるかァ!』というご指摘はいったん呑み込んで頂きたい。俺もツッコみたくて必死に我慢しているから。これは、そんな俺の苦悩に満ちた、日常の記録である―。読売中高生新聞の連載をもとに、加筆・修正を加えた完全保存版!

◼感想
今回は短編集なのでサクッと読了。日常パートメインで小林がいかに忙しい毎日を過ごしているかが分かる。フラグ乱立しまくりで本人も回避したいようだが無理だろうな(笑)一つ一つの話は短いながらもきちんとオチがあって面白いのはさすが。四神のあだ名やカラオケネタが面白かったです、ネーミングセンスは女子だから仕方ないような。
魅怨の主婦っぷりが素晴らしいのでいっそのこと小林と夫婦になれば?と思ってしまう。そして雪宮のキャラがどんどん変わっていく、料理下手なのに加えてドSと嗜虐的であることも追加されましたとさ。またこんな感じの短編集出してくれたら嬉しいです。

公女殿下の家庭教師2 最強剣姫と新たな伝説を作ります(★★★★☆)

 

 ■あらすじ

公女殿下ティナとその親友エリーの才能を十二分に引き出し、王立学校へ見事合格させたアレン。入学する教え子たちとともに家庭教師として王都へ戻ってきた彼を待っていたのは…「…強く、なりすぎ、なんじゃない?」「余裕じゃない。これなら本気でやっても大丈夫そうね」かつてアレンが魔法を教えた腐れ縁であり、今は王国にその名を轟かせる『剣姫』リディヤとの一対一での真剣勝負で!?さらにその事件の余波で学校での臨時講師も任せられたアレンは、そこでも固定観念を打ち砕く授業で脚光を浴びて―無自覚規格外な教師の魔法革命ファンタジー、学園編開幕!

 

■感想

シリーズ2冊目。王立学校へ合格し、入学を果たしたティナとエリー。リディヤの妹・リィネ、ティナの姉・ステラなど新キャラも続々と登場。しかし今回のメインは何と言ってもリディヤ、もうなんか長年連れ添った夫婦って感じで完全に「正妻」ポジション。素直になれないながらもアレン大好きオーラはティナとはまた違った形で出していて可愛らしい。

妹の成長も喜びつつも自分より強いティナに嫉妬するステラ、いつか闇落ちしそうで心配。例の王子が馬鹿過ぎて話にならなかった(笑)今回はリディヤに押され気味なティナでしたが、最後の「私は必ず貴方の隣に立ってみせます」には成長を感じました。でも今回で完全にリディヤ派になってしまいました。

赤レンガの御庭番(★★★★☆)

赤レンガの御庭番 (講談社タイガ)

赤レンガの御庭番 (講談社タイガ)

◼あらすじ
将軍直属の情報機関「御庭番」を務めた家で育った探偵、入江明彦。米国帰りの彼は容姿端麗、頭脳明晰――しかし、完璧すぎるあまり、心を許せる友はいない。横濱に事務所を構え、助手の少年・文弥に世話を焼かれながら暮らしている。訳ありの美青年・ミツと出会った明彦は、犯罪コンサルタント組織『灯台』と対峙することになり――? 異国情緒溢れる、明治浪漫ミステリー!

◼感想
明治の横濱を舞台に米国帰りの探偵が犯罪コンサルタント組織・灯台と対峙するお話。全体的にサクッと読めて、明治ならではの時代描写も素敵でした。女装が得意なミステリアスな美少年・ミツや入江に仕える少年・文弥など三木さんが描く男性は相変わらず魅力的。肝心の主人公・入江が有能過ぎてハラハラするような展開はありませんでしたが、文弥が怪我をした時は早く治って!と心の底から思いました。
灯台首領の正体は個人的に意外でした。たった一人の人間を想いながら演技をし続けたその執念が凄まじい。入江とミツにはぜひきちんと友達になってほしいです。